厚岸は古くから牡蠣の産地として知られており、厚岸という地名の語源もアイヌ語で『アッケシシ』(かきのあるところ)という説があります。
「カキえもん」など、厚岸産のかき・あさり・ほたて・うに・ほっきは、「えもんシリーズ」として、またさんまは厚岸産のさんまの中から厳選された一部のさんまだけが名乗れるさんまの高級ブランド「大黒さんま」、これらは厚岸の漁師の自信とこだわりです。
他にも良質な昆布が6種類以上も採れるなど、厚岸の海はまさに大自然からの豊かな恩恵の宝庫です。
1.自然の恵み
~ 「黒潮」+「親潮」でおいしい魚 ~
太平洋厚岸沖で暖流の「黒潮」と寒流の「親潮」が交差する。ここは「潮目」と呼ばれ、多くのプランクトンとそれを餌とする魚が集まる好漁場。
だから厚岸沖で水揚げされるさんまやさけは、プランクトンをたっぷり食べて栄養満点。“おいしい魚”なのです。
~ 淡水+海水でおいしい貝 ~
厚岸の“海”はちょっと特別。
厚岸湖は厚岸湾と直接繋がった汽水湖。
山や湿原の養分をたっぷり含んだ淡水の「別寒辺牛川」と太平洋の海水が混ざり、適度な塩分で育つ植物性プランクトンが豊富。かきやあさりはプランクトンを餌とするため、厚岸独特の海の恵みを受けて自然とおいしくなります。
2.ひとの力
~ 愛情ひと味隠し味 ~
厚岸のかきは時々引越しをします。
冬の間は厚岸湖でじっくりと栄養を蓄え、6月からの産卵期に備えます。産卵後漁業者は、より塩分の濃い厚岸湾に移し、丹精込めて育てます。
大きく育ったかきは再び塩分の低い厚岸湖へ。植物性プランクトンの多い厚岸湖で栄養をたっぷり蓄え熟成します。
こうしてかきは厚岸独特の甘みを持つようになります。
漁業者はいつも“おいしさ”を届けるために知恵と工夫をこらし、そして愛情をたっぷり込めているのです。
~ 木を植えて海を守る ~
厚岸産かきの独特な甘味を含んだおいしさの秘密は森にあります。
別寒辺牛川の源流の森や湿原の栄養分が厚岸湖に流れ込みます。だからプランクトンが増えて魚や貝がよく育ちます。つまり森と海はつながっているのです。
厚岸では昔から自分達で木を植え、森を守り育てています。
3.まちの活力
~ 厚岸地域マリンビジョン ~
活力ある水産業や漁村の将来像を実現するため、北海道開発局では平成16年に「北海道マリンビジョン21」を定め、水産物の安定供給と水産業および漁業者の健全な発展を目指しています。
厚岸では、新鮮な魚介類を道内外に提供し、水産業を中心に活気に満ちた漁村を次世代につなげることを目標に、平成18年3月に「厚岸地域マリンビジョン」を策定。毎年継続的に点検を行い、ビジョンの実現を目指し活動を行っています。
厚岸地域マリンビジョン詳細
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